2005年10月03日

VS絵画商法〜対戦相手はキャバ嬢でした〜

夕方の報道番組で悪徳絵画商法について特集をやっていた。

簡潔にいうと、

「ただで絵をみませんか!!」

というのを売り文句にしお客さんを会場へ呼んだあげく

あれやこれやとそのお客さんに話しかけ

無理矢理売ろうというシナリオです。

ポイントは即売会場という言葉を極限にまで使用を控えて

お客さんに「買う場では無い」という事を意識させ

会場に呼ぶというところでしょうか。

実際にその販売所で数十万で売っている絵を

質屋に持ってったら評価額2万円。

「主に額題」だそうです。

クーリングフも拒否するような悪徳絵画商法。

実はこれボクも同じようなのに行った事があります。


それは社会人の友人からの誘いでした。

「●●で展示会やってるからお前も来いよ。」

ボクは美術館とか博物館とか好きなので

何も考え無しにOKしました。


友人と落ち合いまずは話しを聞いてみる事に。

「俺さあ、実は前に絵買ったんだよねぇ。」

いやー驚きです。既にだまされてましたこの人。

で、ボクが怪しいんじゃないの??とか色々聞きましたが

「良いんだよ。気に入ったんだからさ。」

とばかり言ってました。

聞いてみると値段も数十万。

幾ら独り身の社会人だからと言って

その額は遊びで払う額ではない。

それでも彼は

「それだけ払う価値はあるんだせ!!」

と言ってききませんでした。

一人暮らしの小さな部屋に絶対似合わないであろうが

本人が満足なんだから別に良いだろう。

「今回の展示会も買ったところからの招待状で知ったんだ。」

ここでボクは今日の展示会が

展示会=即席販売会

という事だと確認する。

友人はやたらと乗り気だし今更行かないなんていえないし

一応絵もみたいし、何よりどんな世界があるか見てみたくて

気づけばボクは彼よりも足取り軽く販売会場に向かっていた。


販売会場は某ショッピングビルの最上階で催されていて

なんたらかんたらの絵を取り扱ってます。

とか色々謳い文句がありましたが

そんな現代画家の画家名なんて知らず。

でも、友人は

「あの人の絵あるのかあ。」

とか何とか言っちゃってかなり

「はまってる感」を感じさせた。

さて、実際に入ってみると

うにょうにょとうねった道にズラズラと絵が飾られていた。

なるほどなるほど絵が沢山あって

楽しいっちゃあ楽しい。

美術館には置いてないような現代美術が

沢山ありそれは見てて楽しかった。

うねった道の先には

コンビニ4つ分くらいのちょっと広めのホールになっており

壁にはズラーと絵が飾られている。

真ん中の開いた空間には椅子とテーブルと

絵を置くための机とがセットになってかなりの数が置いてあり

その幾つかのテーブルには何やらお客さんと店側の人が

あれこれ話しているようだった。

照明は絵を保護するためなのか、雰囲気を作るためなのか

かなり暗めに設定しておりムーディーな雰囲気を醸し出す。

そのホールの絵を友人とゆっくり見てたら突然

「あれーマッキー(仮名=友人)来てたんだぁ。」

と綺麗なお姉さんがうちらに話し掛けてくる。

何だ何だと思っていたら、

「あの絵届いたー??」

との事。なるほど、前マッキーに絵を売ったのは

このお姉さんか。とボクは勘ぐる。

ちなみにこのマッキー女に弱い。

という致命的な不具合がある。

女に弱いというか彼の人生に一度も女が登場して

こなかったといって良いほど女と喋ったことがない

非モテ君だ。最近になってようやく人生初の彼女を

ゲットしたようだがこの時点では

「北極で裸で立っている。」

と例えられる位女に対して免疫がなかった。

それに対して色気ムンムンおそらく二十代半ばの

油ののったお姉さんだ。

なるほどねぇ。とボクはまた勘ぐる。

そうこうしてると彼女は

「向こうになんたらかんたら(画家名)の新作入ったから見てみてー。」

と彼を無理矢理引っ張っていった。


さて、独りになったボクはまたゆっくり絵を見始める。

ぼんやりと絵を見て見終わりそうだなあと息を抜いた瞬間だった。

「あちらでお茶飲みませんか??」

笑顔で話し掛ける若いお姉さんがそこにいた。

さっきの友人についていたお姉さんよりかは

ちょっといまいちだけどそれでも明らかに雰囲気は

キャバ嬢。やや露出度高めの服をきて匂いも良い。

そんなお姉さんが

「あちらでお茶しませんか??」

とか言ってくるのです。こりゃ行くしかない。

ほら、丁度のど渇いてたしね!!

ということでそのお姉さんの甘い誘惑に

計画的にのりホールの真ん中寄りの椅子に腰を下ろす。

さてバトルの始まりです。


まずはホントに他愛もない話を繰り広げる。

歳はー??とか大学はー??とか。

彼女も自分について色々話し出す。

大学はどこでー、何をやってて、あの時あーだーこーだ。

そんな話が小一時間ほど続き

雰囲気がよくなってきたなと認識したのだろうか、

「ヒズ君はどんな絵が好きなの??」

と言った感じで絵の好みを根掘り葉掘り聞かれる。

ボクはあーだこーだ適当に話してみる。

そうすると彼女がこんな質問を投げかける。

「今日の絵でどれが好みかなあ??」

ボクが敢えてと付け加えて一つのモダンな絵を指名した。

その瞬間だった。突如彼女は立ち上がり、一目散に

その絵をボクのとこまで持ってきて絵置き机に置いた。

そこから、

「これ良い絵だよねー!!」

とか言いながらこの絵を褒め称えはじめる。

ここでそれに同意したら危ない方向に行くなと

考え、方向を少し変えてみる。

どんな事があろうとも絵は買わないが

ギリギリのラインまで行ってみるというのが今回の目標。

「いや、敢えてなんで別にこれが好きってわけじゃない。」

とボクが言う。それでもなお彼女は

この絵のここが良いあそこが良いと話し始める。

「いや、あくまで敢えてなんで別にこれが好きってわけじゃない。」

ともう一回わかりやすいように彼女に言ってあげると

彼女も方向転換を図る。

「他になんか良いと思ったのはないの??」

「ないです。」

とボクが反論したところ彼女は

店のカタログを持ち出し、ボクに見せながら

「この中だったらどれが良いかなあ??」

とか言い出す。

「どれもいまいちですね。どの絵も心がない。」

とか反論すると、彼女は自分の好みの絵に

ついて話し出す。それはもう熱く熱く話し出す。

それに対し、ボクは

「へぇ。すごいねぇ。たいしたもんだ。」

と相槌を打つ。ちなみにこの時点で2時間は経ったか。

ちょっと飽きてきたけど、友人が帰ってこないので

それまではこのお姉さんで遊ぶことにした。

そんな事を考えていたら、

こんな質問が

「このカタログの中から敢えて言うならどの絵??」

ボクは可もなく不可もなくうまく言ってのけた。

「この絵とこの絵とこの絵を足して3で割った感じかな。」

それでもなお彼女はなんとかボクの絵の好みを

詳細に聞き出そうとする。

「日本画と西洋画はどっちが好き??」

とかから入り、なんとか頑張ってる。

そんな彼女の姿勢にボクものらりくらりと答える。

そんなやり取りが続いてると彼女が

「じゃあわかった。特別ね。」

と言い残し、彼女が裏の方へ行った。

戻ってくると彼女は趣向が違う絵を数種類持ち出し

一つ一つ飾っていく。

「この絵は今回は飾らないはずだったんだよ。

 ヒズ君の意向を聞いて特別持ってきたのよ。」

とか彼女は言いだす。

そんな特別とか言われても何にもならないのに

ほんとにお馬鹿さんだなとか思うけど一応黙って聞いてみる。

彼女はまた一枚一枚の絵を丁寧に説明しだした。

終いには、

「こうすると綺麗なのよ。」

とか言いながら、手元にあった照明を

絵の下の方から上にゆっくりとあげ絵を

綺麗に綺麗に見せる演出なんかもした。

それに対しボクは一言。

「綺麗ですねぇ。でもそんなに近距離で照明あてたら

 絵にはダメージですよね。」

とか軽く言ってあげたら、即座にその演出は終わった。

気を取り直して、彼女は続ける。

「この中で敢えて選ぶならどれがいい??」

ボクは当然

「どれもいまいちです。」

とか言ったけど、彼女があまりにしつこいので

ポップで明るい絵を指名した。

「これねぇこれいいよねぇ!!」

お前にとってはどれも良いんだろって言いそうになるが

そこはこらえる。

ちなみにこの時点で3時間余りだろうか。

彼女は続ける。

「ヒズ君の部屋ってどんな感じなの??」

「あんなこんな感じです。」

と適当に返すと

「じゃあ、この絵ピッタリじゃない!!」

いやいやいやいや。ピッタリではない。

そこまで想像が膨らむ彼女が凄い。

さらに彼女は続ける。

「ヒズ君って収入さっきの話だと5万くらいかな??」

さっきというのは「掴み」の段階で

話したバイトの話であった。

この当時ボクは家庭教師をやっており

月々4万位の収入があった。ですがこの質問に対しては

「月1万5千円です。」

と言っておく。そうすると彼女が

「えっまじでー??」

そうそう、絵なんてボクの収入では買えないよ。

と思った瞬間。

「全然いけんじゃん!!」

あぁこいつ馬鹿だ。馬鹿にも程がある。

すると彼女今度はこんな質問をなさる。

「この絵っていくらくらいだと思う??」

なるほど。そうきたか。

「10万とか。」

あまりにも適当に返す。

「あぁ惜しい。30万だよ。」

おしくないね。おしくはない。3倍じゃんかよ。

「月収入が1万5千円で・・・・・絵が30万だから・・・・・」

何やらボソボソ言いながら彼女は計算機を叩く。

で、どん。

「ヒズ君なら月1万払いで3年も経たないで買えちゃうよー。どうどう??」

いやいやいやいや。ほんと馬鹿だ。こいつ馬鹿だ。

ここで彼女初めてボクに売る事を宣言。

ということで、ボクもバトルモード全開です。

いままでは、ちょっと話に乗っていたけど

ここからは全力拒否です。

でも友人がまだ帰ってこないので帰ってくるまで

拒否粘りをしてみる。

彼女は言う。

「この絵があったら絶対部屋の雰囲気変わるよ?」

ボクは言う。

「雰囲気変わる??確かに変わるね。悪くはなるよね。」

こんな感じで彼女の言動全てバサバサと切り落とす。

ボクが

「こんな絵なんて学生で若い人は買えないでしょう。」

と言ったところ彼女は

「そんなことないよ。」

と言い出し、写真が大量に詰まったアルバムを手渡される。

「これみーんなヒズ君位の歳の人だよ。」

見ると、

「買っちゃいました!!」

とか書き足された買っちゃった人のポラロイド写真だった。

ほんと馬鹿だなあこの人たち。って思っちゃう。

そんなものでボクの心が揺り動くわけもなく

「金持ちは違うね。」

と皮肉を言う。

そうすると彼女は

「ヒズ君くらいの月収で買った人もいるよ。」

と言い出す。ボクは

「今の生活でギリギリなので。そんな金はない。」

とつっぱねる。

そんな攻防が続き終いには

変な紙にさらさらと書き出し

「ここに君の名前さえ書けばこの絵は君のものよ。」

あぁ怖い。なんだこれ。あぁ怖い。

もちろん、名前なんて書くわけがない。

そうこうしてるとここに来て友人登場。

よし、帰るかと思ったところだった。

「わかった。絵はいいからうちのファンクラブだけにも入らない??」

聞くと、カタログやら招待状が届くというものだった。

「入会費はいくらですか??」

「安いもんだよ。この内容で。」

「だからいくらですか??」

「1万5千円。一月分の給料で賄えるよ。」

ふざけた話です。勿論拒否。

ここで今回のバトルは終了となり、

会場を出た。会場を出るときそのボクの担当の方が何度も

「またきてね。」

を連呼していた。顔はやたら悔しそうだった。


結局4時間くらい滞在。中々良い経験ができたと思う。

それにしても上手いシステムだ。振り返ってみると

1.友人とボクを離れ離れにする。

2.お茶に誘う。

3.世間話をする。

4.ひたすら絵の好みを調べる。

5.実際に絵を持ち出し商談。

6.ファンクラブだけでも入れようとする。

とまあ、流れとしてはこんなかんじでしょうか。

男のお客さんには綺麗なお姉さん。

女のお客さんにはカッコイイお兄さん。

がつき巧みな話術でなんとか丸め込もうとする。

ここで扱われていた絵画は真贋は別としてあとで調べたら

それなりにまっとうなものではあった。

でも、やっぱり無理矢理売ってくる感はありましたね。

ボクはそういうの跳ね返すのが得意というか

むしろ好きという悪魔のような奴なので別に

問題ないですが、気弱な性格の人はつい買っちゃうかもしれないですね。




そうそう、その友人はその日は何も買わなかったけど

後日招待された時にまた買ったそうです。

しかも2枚。一枚は100万以上の高価品。

結局3枚の絵を買ったわけだがその絵は

今も郵送されたままの形。

つまり「ダンボールにつつまれた」ままの状態で

部屋に「飾ってある」。

ほんとに馬鹿なやつだ。

今ごろになって彼が

「何で買ったんだろう。」

と言い出したところでどうにもならない。





ランキング!!

絵画商法ってそんななんだって思ったらワンクリック。


凄い長くなっちゃった。

頑張ったから応援して!!なんて厚かましい事は言いたくないけど

でもほんとに頑張ったんだよ。

眠いのに頑張ったんだよ。

だから応援よろしくね!!(結局言ってんじゃんww)
posted by ヒズ at 01:39| 宮城 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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